戸建て住宅にお住まいの方であれば、家の中だけでなく家の外に今すぐ使わないものを保管していきたいと考えることがあると思います。
例えば、スキーやスノーボード、サーフボードなど大きくてじゃまになるものや、冬には登場回数が激減するバーベキューセット、使うことはないんだけど捨てられない子供の野球道具。
こういったアイテムは、愛着があったり、季節が変わると使うようになったりしますが、いつも家の中に置いておく必要のないものばかりです。
そこでほとんどの方は「物置」の設置を検討されるのですが、この物置、意外なことにトラブルの原因になることもあるんですね。
今回は、トラブルになりやすい物置の設定を回避する方法についてお話していきたいと思います。
1: 物置の設置場所で神経を使うトラブルとは

物置って、ホームセンターで購入するとか、最近ならインターネットの通販で購入するとか、そういう方法を選べます。
いたって簡単に購入できますし、届いたら自分の好きなところに設置して完成!というようにイメージされている方も多いと思います。
確かに、こういった流れで上手くいくおうちもありますが、場合によっては次のようなトラブルが発生してしまい、「物置、買うんじゃなかった」と後悔される人もいらっしゃるようです。
(1)設置工事が必要なのを知らなかった
物置は、購入して庭の空いているスペースへポンとおけばOK。これで完成すれば良いのですが、実際には物置を設置する地面を整えなくてはいけません。
そして整え方にもいろいろありますが、コンクリートを敷いて平らにする方法や、ブロックを設置して水平にする方法などがあります。
また、物置は境界ぎりぎりに設置しようとしても、裏側に回れないので上手く設置できないこともあり、思っているよりも一回り二回り余裕のある場所が必要になってきます。
(2)地面を整えた部分が物置の大きさと合わない
物置を設置する地面を整えた場合、物置の大きさに合っていないとグラグラして安定しません。そもそも足になるブロックが置けないこともあります。
きちんと物置のサイズを計った上で地面を整えることが大切です。
物置の購入&搬入と、地面の工事を別々の業者さんへ依頼する場合には、ここでミスが起こることもあります。きちんと伝えるようにしておきましょう。
物置が届いて設置してみると「合わない」というのは、大変残念な状態です。
(3)ご近所とのトラブル
これ、もっともやっかいです。
ご近所からすると、今まで無かった物置が目の前に出現しますので、景観が変化するため何となく「イラッ」とされるようです。
また、境界ギリギリに物置を設置すると物置に当たった雨水が、ご近所の敷地に入ってしまい、これもトラブルの原因になることもあります。
自分の敷地内なので、どこに物置を設置しようと自由なのですが、ご近所とトラブルが発生すると、なかなか解決しづらくなりますし、これからもお付き合いがありますので気苦労も増えてしまうと思うんです。
このように3つのトラブルが代表的です。1番目と2番目は工事の方法で対応できますが、3番目ですね。これがやっかいなんです。ですから物置の設置を検討されるときには、3番目のトラブルを招かないように注意してもらいたいと思います。
2: 物置の設置場所でトラブルを回避するポイント

このようなトラブルを回避するためには、以下のようなポイントを知っておきましょう。
(1)とにかくまわりへの配慮
先ほどのトラブル例の3番目の回避方法です。
とにかくご近所への配慮を優先させましょう。
物置の設置工事が始まる前に、物置を設置することを伝えておく。
また、設置する場所ですが境界から20cm~50cmは離しておく方が無難です。
そして、雨水や雪ですね。自然現象なので仕方ないようにも感じますが、カーポートと同じく、ご近所の敷地内へ落ちないように配慮しておきましょう。
(2)賃貸などで注意すること
戸建ての賃貸物件の場合、物置の種類によっては転倒防止用の工事が必要になることもあります。
こういった場合、家主様や管理会社への了承をいただく必要が出てきます。
(3)見えない部分と油断しない
あまり人が見ない部分に物置を設置するケースも多いでしょう。
こういった場合、油断すると物置の台になっているブロックは境界内ですが、物置そのものが若干はみ出て境界を越えていることもあります。
こうした見えない部分ですが、境界を越えてこられた側は大変良く見られています。
見えない部分、見えづらい部分だからと油断しないことが大切です。
(4)部材は搬入できますか?工事車両は駐車OK?
物置って、実際に家にやってくると大きいものです。そのためトラックで搬入されるのですが、搬入にやってきたトラックが近くまで入ってこられるのか、作業中に駐車しておくことができるのかをチェックしておきましょう。
難しい場合は、搬入日よりも前に伝えておくことで、工事もスムーズに進みます。
そして、ご近所から「車、どけてもらえません」という、イヤな気分になることも減っていきます。
(5)物置の取り替えで忘れがちなこと
物置を新しく購入するときに、すでにあった物置と入れ替えることもあります。
こういった場合、すでにある物置を解体しなくてはいけません。
ここで問題になってくるのが、誰が解体するのか。解体したものを誰がどこへ持って行くのかです。
新しく物置を購入するときに、解体してほしいことや持ち帰ってほしいのなら先に伝えておきましょう。
すでにある物置を、別の場所へ移設したいのなら、そういった計画も伝えておくことを忘れてはいけません。
解体や持ち帰り、移設に関しては費用が発生しますので、搬入当日にご依頼いただきましても、その日に対応できないことがほとんどです。
スムーズな設置を行うためには、事前相談が重要ですね。
(6)マスに気をつけよう
雨水や汚水を流す部分に「マス」と呼ばれるものが地面に埋まっています。
この「マス」は、どうも物置を置きたい部分にあることが多いんですね。そのため、マスの上に物置を設置すると、マスの点検をしようとしても出来なくなるんです。
マスの点検のたびに、物置を解体すれば出来ますが、それは面倒です。
できるだけマスの上に物置を設置しないように考えましょう。
どうしても、マスの上に設置しないといけない場合は、物置の中には底板を外せるものがありますので、こういった種類のものを選ぶと、荷物を出すだけで点検することはできます。
3: 物置の設置で注意するのは業者の選び方

物置の設置をどこに依頼するのかというと、次のような方法があります。
- ホームセンター
- ネット通販
- 外構工事業者
おそらく物置そのものの値段が安いのはネット通販でしょう。次が大量仕入れ可能なホームセンターですね。
確かに物置そのものの値段はこのようになるのですが、忘れてはいけないのが設置と工事が必要であるということです。
地面を整える工事費用。搬入と設置費用。
この2つも合わせて考えてみると、地元の外構工事業者の方がコストパフォーマンスも高いと思います。
外構工事業者の場合、単に物置を運んで設置するだけではなく、普段から地面を整えたり、水はけの改善を行ったりする技術と知識を持っています。
また、ご近所への配慮も、これまで行ってきた様々な工事経験から対応可能ですし、どういった部分に配慮すれば良いのかをアドバイスすることもできるでしょう。
物置の費用だけではなく、すべてを含んだ費用で考えてもらいたいと思います。
4: まとめ
物置の設置は簡単にできるように思えますが、今回お話しましたようなトラブルもあることを知っておいていただきたいのです。
特にご近所とのトラブルは、一度もつれると元に戻すのが大変なもの。
もつれる前に「あなたのことを大切に考えていますよ」と伝えることが必要です。
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